御嶽山の噴火と長野県の県歌と校歌

あの歌は、いったい……!?
 前回も触れた小学生だった頃の記憶。
 ぼくの通っていた小学校は、ちょっと特殊でした。
 なにが特殊かといえば、いろいろあるのですが、そのうちのひとつが、オリジナルの校歌がなかったこと。
 その代わりに、長野県の県歌とされる『信濃の国』が校歌として採用され、連日のように歌って(歌わされて)いました。

 そう、〝長野県民なら誰でも歌える〟と全国的に噂が流布している県歌です。

 この『信濃の国』は長い歌で、1番から6番までの構成(4番だけメロディーが変わる)で、全体で信濃、即ち長野県の素晴らしさを語り尽くせるものになっています。

 ただ、校歌として歌うには長すぎるので、普段の全校集会などではだいたい2番まで歌って終わっていました。
 そうやって、子供心に郷土愛を定着させていったのかも知れません。

 この『信濃の国』の歌い出しの歌詞。こんな具合です……


1)信濃の国は 十州に 境連ぬる国にして〜♪
  聳ゆる山は いや高く 流るる川は いや遠し〜♪
  …………♪


 と、1番がはじまります。
 まあ、長野県は海に接することなく、いまでも全国最多の8県と境界をなしていますが、その昔は10州に接していたことを誇らしげに謳いだすところからはじまるわけです。つまり、そんな歌です。

 そして、2番の歌い出し。これが……


2)四方に聳ゆる 山々は 御嶽 乗鞍 駒ヶ岳〜♪
  浅間は殊に活火山 いずれも国の鎮めなり〜♪
  …………♪


 気付きました? つまり、県内にある山々を誇らしげに歌う歌詞。
 その最初に出てくる「御嶽」というのが、御嶽山のこと。1週間前に噴火した、あの御嶽山です。
 「乗鞍」が乗鞍岳、「駒ヶ岳」はそのまま、「浅間」は活火山であることを強調する浅間山のことです。
 それをいずれも「国の鎮め」と謳歌している。


※ご参考までに『信濃の国』の歌詞と楽曲です!(長野県HPより)
http://www.pref.nagano.lg.jp/koho/kensei/gaiyo/shoukai/kenka.html


 雲仙普賢岳を越えて、戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火。
 連日の報道に接する度に、こんどはこの歌のフレーズが頭に甦ってくる。
 47人の死者を出して、いまだに16人が行方不明。
 そんな山を誇らしげに歌って(歌わされて)いた子どもの頃の記憶。
 いったい、なんだったのだろう?
 最近、混乱することばかりが多い日々です。



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歌は歌。罪はなし。
プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

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