朝日新聞、あなたもですか!?

 巨人内紛。ナベツネに反旗を翻した清武の乱。
 会見を行った翌日12日の新聞各紙。
 さすがに読売新聞は、そういうことがあったことだけを伝えるだけのベタ記事でしたが、
 朝日新聞は、スポーツ面から社会面まで使って、バシバシ書き立てていましたね。
 見比べているだけで、笑っちゃうのですが、
 朝日新聞の記事を読んでいて、途中でまたしても爆笑してしまいました。

 ナベツネこと渡辺恒雄読売新聞本社グループ会長についての著作もあるからなのでしょうが、
 朝日新聞は今回の内紛事件について、こともあろうにジャーナリストなる魚住昭氏のコメントを掲載していました。

 いやはや……、魚住昭っていう人は、平然とこんなことを書いているんですよ。


魚住昭「読み物 オウム事件 崩れ始めた壮大な虚構」◇ ←クリックしてみてください。

【報道では麻原は自らの罪を免れるため、元弟子たちに責任をなすりつけようとした男である。
 だが、実際に責任逃れをしようとしたのは元弟子たちのほうだろう。麻原は彼らの悪口を一度も言っていない。彼らから糾弾されても気にせず、彼らをかばう姿勢を崩さなかった。
 麻原弁護団は元弟子たちの暴走で事件が起きたことを立証しようとした。そのため元弟子たちの証言の矛盾を追及した。すると彼らは言い逃れができなくなって窮地に陥る。そんな場面になると、たいてい麻原が「子供をいじめるな」と言いだし弁護側の反対尋問を妨害した。
「ここにいるI証人(地下鉄サリンの実行犯)はたぐいまれな成就者です。この成就者に非礼な態度だけではなく、本質的に彼の精神に悪い影響をいっさい控えていただきたい」
 読者には信じがたい話だろうが、それが麻原の一貫した主張だった。彼は自分の生死には無頓着で、元弟子たちの魂が汚されることをひたすら恐れていた。裁判記録には、そうした麻原の宗教家としての姿勢がはっきりと描かれている。】(抄録)

 もう、どうかしちゃっているでしょう。
 この人は証言中の元弟子たちに「地獄に堕ちろ!」と呼び掛けていたことも知らないのでしょうかね。そのことは、麻原公判の記録にも元弟子の証言としてちゃんと残っているはずです。
 もはや、ジャーナリストなんてものじゃない。

 こんな人の解説やコメントが信憑性に値するのでしょうか。

 森達也という人の書いた『A3』なんぞに、講談社ノンフィクション賞をあたえてしまうから、
 彼を真似た手法が許されるのだと思って、
 こんなおかしな輩が次から次へと出てくるのでしょう。
 もっとも、魚住昭という人は、もっと以前に同賞を受賞しているのでしたね。

 しかも、この原稿の初出は講談社発行の『週刊現代』。
「ジャーナリストの目」と連載コーナーに掲載されたものです。
 ついこの間も同じ連載欄に麻原章晃の宗教観について書いていました。
 何を主張しようがその人の勝手ですが、「ジャーナリスト」を冠にして書くべき(公開すべき)ことではないでしょう。

『週刊現代』といえば、いわゆるグリコ・森永事件の真犯人を追及する〝ノンフィクション〟を掲載して、真犯人とされた関西在住の作家さんが、名誉毀損で講談社を訴えていますね。提訴は先週のこと。その前に『週刊文春』でも手記を寄稿しています。
 講談社サイドは、匿名で記事を掲載していたから問題ではない旨を主張しているようですが、匿名で書くくらいなら(あるいは、書かなければいけない状況なら)、ノンフィクションの意味がいったいどこにあったのでしょうか。
 この記事を執筆した岩瀬達哉という人は、「信念で書いた」といっているそうですが、真犯人を断定するだけの信念があるなら、実名で書けばいいでしょうに……。実名で書けないことをどうしてノンフィクションにしちゃうのでしょうか。

 箍がゆるむというのでしょうか。
 ひとつの過ちを認めてしまうと、それが許されるものと思って、追随する輩が出てきたり、組織体の空気そのものがおかしくなっていく。
 金八先生のいう「腐った蜜柑の方程式」っていうところでしょうか。
 いま騒ぎになっている、オリンパスにも、大王製紙にも、多かれ少なかれそんなところがあったように思います。

 それとも、講談社のケースはそもそもからして土壌が腐っていたのか。
 グリコ・森永事件追及のノンフィクションを書いた岩瀬達哉という人。
 こちらも、魚住氏同様に名誉あるはずの講談社ノンフィクション賞を受賞しています。
 しかも、ふたりは平成16年第26回の2作同時授賞。
 もうこの頃からおかしくなっていたのかな……。

 ……って、あれ?
 第26回の講談社ノンフィクション賞といえば、
 ほかでもない、ぼくの書いた『オウム裁判傍笑記』も同賞の最終候補作5作のうちのひとつに残っていたではありませんか!?
 ひえぇ〜!!

 当時から、魚住氏、岩瀬氏の受賞作は『月刊現代』『週刊現代』に連載されていたものをまとめて、講談社から出版した本でしたから、まあ、そんなものか、とは思っていましたが……
 それにしても……

 ひえぇ〜!!

 ますます、やっていられなくなる……。
 公に意見をする、抗議する、反旗を翻す、物事を深く考えるということは、少なからず自分も傷を負ったり、返り血を浴びることなんですね。
 清武さんの愚痴が聞いてみたい……。


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プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

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