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『オウム事件真相究明の会』の賛同人が手がける相模原障害者施設殺傷事件の被告の手記の出版には反対です!

 一昨年の7月、相模原市の知的障害者施設で、入所者の19人が殺害、27人が重軽傷を負った事件。
 殺人罪などで起訴された植松聖被告の手記が出版されることになったそうです。
 出版するのは、『創』という雑誌の篠田博之編集長。「オウム事件真相究明の会」の賛同人に名を連ね、森達也という人の連載を『創』誌面で続けている人物です。
 これに対して、出版の停止を求める反対運動が起きています。

 NHKのニュース番組が伝えています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180621/k10011489941000.html

 反対の声を挙げているのは、大学教授や障害を持つ人の家族の会の人たち。
 今月21日には、『創』出版を訪れて2000名の署名を提出しています。
 NHKの報道によると、彼らの言い分はこうです。

「被告の差別的な思想が本という形で拡散すれば同調する人が増えるおそれがあり危険だ。恐怖を感じる障害のある人や家族のことを考えてほしい」(署名を提出した静岡県立大学短期大学部の佐々木隆志教授)

 それが理由で出版の停止を求めるのだとしたら、ぼくは納得できません。
 なぜ、罪を犯したのか、凶行を決意したのか、その理由を客観的に知ることはとても大切なことだと思いますし、差別的な思想の持ち主だから黙らせておく、ということだとすると、「障害者だから」という理由で事件を引き起こしたこの刑事被告人と同じ立場になってしまう。
「同調する人が増える」というのであれば、その根源となる「差別的な思想」が間違いであるとする、それを上回る思想と理由を提示して、議論で同調を防ぐべきです。それがマスメディアの役割でもあるはずです。

 ですが、今回の手記の出版については、ぼくは反対です。大反対です。
 この手記を出版するのが、『創』の篠田博之編集長だからです。
 彼は偏向報道をします。森達也の連載原稿がそうであるように、事実と異なること、すなわち嘘やデタラメを平然と掲載します。それでいて責任をとりません。

 NHKの報道によると、出版の意義について篠田博之はこう語っています。

「事件を解明し風化を防ぐための議論の材料にしたい」
「被告の主張が手紙などで公開されることで、被害者やその家族がつらい思いをすることがあるかと思いますが、そこに配慮したうえで被告の考えをどう批判して乗り越えていくのか、議論を起こし社会で考える材料となる本にしていきたい」

 とんでもありません。手記を「議論の材料にしたい」などとしていますが、彼は議論などできもしないし、させません。嘘やデタラメを自身が責任編集を務める雑誌に憶面も無く掲載しながら、それでいて反論を一切許さない。封殺する。
 マスメディア、ジャーナリズムとして言語道断のことをしでかしています。

 そのエビデンスを示します。

 いまから3年前のことです。2015年の『創』7月号に、ぼくと弁護士の滝本太郎さんを批判する森達也の連載コラムが掲載されました。
 それも、もはや当たり前のように森達也の嘘やデタラメが記載されていました。その上での批判ですから、酷いものです。
 しかも、原稿巻末には、ご丁寧に、
「気付かなかったなどと言い訳されないように、本誌は滝本・青沼両氏に送ってもらう」
 とまで書き込まれていました。
 実際に滝本太郎さんの事務所には『創』編集部から掲載誌が送られてきたようなのですが、ぼくのところに届いていません。それもそのはずで、『創』編集部は、なぜか『週刊文春』編集部に掲載誌を郵送し、「青沼のところに転送してくれ」とする主旨の文面が添えられていました。転送のための切手も手数料も付いていませんでした。『週刊文春』編集部は宅配会社でも便利屋でもありません。当然、相手にもできないから無視するしかありません。
 篠田博之が編集長を務める『創』とは、まず、そういう非常識なことをやるところです。

 いずれにせよ、相変わらずの虚報と詭弁に満ちた原稿で個人を批判していることから、滝本太郎さんが篠田博之編集長に、反論をしたいと申し出ました。同誌誌上にての公式な反論原稿の掲載を求めたのです。
 ところが、篠田博之はこれを拒否したのです!
 わざわざ「気付かなかったなどと言い訳されないように」と雑誌を送り付けておきながら、反論を認めなかったのです!

 その詳細は、このブログで伝えています。
http://aonumazezehihi.blog.fc2.com/blog-entry-138.html
http://aonumazezehihi.blog.fc2.com/blog-entry-130.html

 滝本太郎さんと反論を拒否する篠田博之編集長の具体的なやりとりは、滝本さんのブログに載っています。
 是非、確かめてみてください。
http://sky.ap.teacup.com/applet/takitaro/20151001/archive

 反論拒否は、森達也の承知の上でのことでした。
 言論人としてあり得ないことです。

 どうしても反論掲載を拒むというので、滝本太郎さんはブログにその草稿を掲載しました。
http://aonumazezehihi.blog.fc2.com/blog-entry-160.html
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/2052.html

 そんな篠田博之に46人を死傷させた植松聖被告の手記を書籍化させたところで、その内容が出版の価値に見合うものか、甚だ疑問です。「議論の材料」になるどころか、反論すら許さず、偏向を助長する可能性すら否定できない。
 同著には、被害者の家族の反論も載る予定のようですが、それも言い訳どころか、本書にとって都合のいいことしか掲載しないでしょう。ただ利用されるだけ。出版後の社会的反応を見ずに、あらかじめ仕込まれた反論原稿に、いったいなんの意味があるのでしょうか。
 嘘、偽りを掲載しながら、反論を拒み、議論など無視する篠田博之のまとめる書籍など、まったく信用に値しません。
 植松聖被告の手記を取り上げるのなら、もっと信用のおける客観性の保てる第三者の手に委ねるべきです。
 ですから、ぼくはこの手記の出版には反対です。

 結局のところ、篠田博之が賛同人となり、森達也が呼び掛け人になっている「オウム事件真相究明の会」にしても、この人たちがまず主眼に置くところは、世間に騒ぎを起こすこと、混乱させることにある。そうとしか思えません。
 議論もなければ、事件の風化の阻止なんて理由もあり得ない。
 なぜなら、「オウム事件真相究明の会」だって嘘が前提に成立しているのですから。
「障害者は不幸をつくることしかできない」から46人を死傷させた刑事被告人の手記であれ、「オウム事件真相究明の会」であれ、とにかく世の中が混乱すればそれでいい。虚報であっても構わない。それでほくそ笑む。責任はとらない。
 こんな人たちを許しておくべきではありません。

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プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

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