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麻原彰晃の三女アーチャリーが嬉々として早稲田大学講演会を喧伝するのは、主催サークルOB名簿にぼくの名前があることを知ってのことなのか!?

 麻原彰晃こと松本智津夫の三女、アーチャリーこと松本麗華という人(敬称は省略します)が、7月4日に早稲田大学で講演を行うそうです。
 主催は同大学の「人物研究会」というサークルです。

http://blog.asahara-kousoshin.info/?eid=246
https://twitter.com/jinken_2017
https://jinken-official.jimdo.com/

 ぼくは早稲田大学を卒業しています。
 そして、同大学在学中にこのサークルに所属していました。
 毎年秋には、このサークルのOB会の開催を知らせる往復葉書が届き、出欠を返信していました。
 残念ながら、OB会には出席できていませんが、それでもOBの名簿にはぼくの名前の記載があるはずです。

 ですから、早稲田大学「人物研究会」が主催して、同キャンパス内で松本麗華の講演会を開催すると知って、とても困惑しています。

 調べればかることですし、つい最近、催されたトークイベントでも語ったことですので、ここで事実関係を明確にしておきます。

 ぼくは、アーチャリーこと松本麗華から民事訴訟を起こされています。
 『サンデー毎日』2018年1月28日号に掲載された、麻原彰晃こと松本智津夫の四女、松本麗華からすれば妹のインタビュー記事が、名誉棄損にあたるとして、原稿執筆者として署名のあるぼくと取材対象者の四女を、今年4月に東京地方裁判所に提訴しました。
 それも出版元である『サンデー毎日』編集部と「毎日新聞出版」、その親会社である「毎日新聞社」を被告にすることを避けて、訴えてはいません。
 直接、ぼくと四女だけを訴えてきました。
 しかも、提訴前に内容証明の送付等による手続きもなければ、名誉棄損にあたるという箇所の訂正も謝罪も求めず、いきなり慰謝料のみ400万円を請求する訴訟を東京地方裁判所に起こしたのです。

 そして、これと同じ時期に松本麗華は、やはり四女のインタビューを放送したフジテレビとインタビュアーの安藤優子、それと四女を訴えています。
 フジテレビの放送は、3年前の2015年3月のものでした。それをいまになって訴えています。
 そればかりでなく、四女の相談を受け続けてきている滝本太郎弁護士のブログの記載内容を巡って、やはり同じ時期に提訴しています。

 昨年12月、一審で敗訴した麻原彰晃こと松本智津夫の長男がテレビ東京を相手取った裁判では、今回の松本麗華の訴訟代理人弁護士が長男の代理人を務めています。
 この裁判では、訴訟記録の取り寄せを求め、これに応じた裁判所を原告がまた訴えるということもしています。
 昨年10月には、麻原彰晃こと松本智津夫の四女が、父と母の推定相続人からの排除を求め、横浜家庭裁判所がこれを認める決定をしました。
 この決定についても三女の松本麗華は、横浜家庭裁判所を相手に裁判を起こしています。

 よく、それだけの訴訟が起こせる資金をもっているものだと、考えさせられるほど、とにかく彼女とその代理人弁護士は、訴訟を数多く起こしている。

 訴訟を起こされたことについては、ぼくが間違っていたのかどうか、いずれ裁判所が判断することですから、結果を待てばいいのですが、ただ、こうした訴訟手続きや状況をなんと呼べばいいのでしょうか。

 「SLAPP(スラップ)」「濫訴」など、人によっていろいろな呼び方をするのではないでしょうか。実際にぼくの周りではそう言及している人もいます。調べてみてください。

 因みに、訴訟をやたらに起こすことは、いわゆるカルト教団の特徴で、麻原彰晃こと松本智津夫を教祖とするオウム真理教も、かつては訴訟を乱発していました。
 松本サリン事件も同教団松本支部を巡る民事訴訟に絡んで、裁判官官舎を狙って引き起こされたものでした。

 麻原彰晃こと松本智津夫の三女、アーチャリーこと松本麗華は、自著を刊行しています。人物研究会の宣伝広報紙にも引用されている『止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記』(講談社)というタイトルの本です。
 この中で、地下鉄・松本両サリン事件や坂本弁護士一家殺害事件など、父親である麻原彰晃が指示、あるいは首謀者として引き起こされたことが刑事裁判で認定された、いわゆる一連のオウム事件について、彼女は態度を明らかにせず「保留」としています。
 それどころか、父親の麻原彰晃こと松本智津夫には、精神の病を患い訴訟能力がなかったと主張し、治療して真実を語らせるべきだ、としています。その真相を聞くまでは、事件についても言及できない、と。

 ですが、東京高等裁判所が実施した鑑定結果では、訴訟能力が認められています。この他の高等裁判所の各決定、最高裁判所の決定も、この鑑定と訴訟能力を認めています。
 また、麻原彰晃こと松本智津夫が一審裁判で語った事件に関すること、すなわち意見表明をした「罪状認否」についても、これらの決定の中に詳細に記録されているところです。
 麻原彰晃こと松本智津夫は、裁判で何も語らなかったのではなく、彼の事件に対する見解はきちんと述べています。
 裁判記録や『判例タイムス』を調べれば、詳細にかることです。

 すなわち、松本麗華の主張することは、東京地裁判決から高裁各決定、最高裁の決定まで、司法手続きによって認定されたことに反することであり、事実を無視していることになります。
 こうした現実を受け入れることなく、事件を総括できないでいる。

 麻原彰晃こと松本智津夫の控訴審は、明らかに控訴審弁護人がその手続きにおいて主張を強くし過ぎるあまり、訴訟戦略を失敗したこと、すなわち過誤を犯したことによって、公判が開かれることもなく、控訴棄却となって打ち切られています。
 弁護士会もこの弁護人の過誤を問題として処分しています。
 それも経緯と結果を調べればわかることです。
 しかも、この処分を受けた麻原彰晃こと松本智津夫の二審弁護人が、いまも松本麗華や長男の訴訟代理人を務めて、上述のような提訴を起こしています。

 麻原彰晃こと松本智津夫の裁判の様子をもっと詳細に知りたいのなら、例えば、ぼくが傍聴取材を続けてまとめた『オウム裁判傍笑記』を読んでみてください。もちろん、ぼくの著作でなくても構わない。ずっと裁判を現場で傍聴取材してきた朝日新聞の元編集委員だった降幡賢一さんの『オウム法廷』(全13巻・朝日文庫)は、一級の資料価値があります。麻原彰晃こと松本智津夫が精神を患っていたのか、なかったのか、どんなことを語ってきたのか、よくわかるはずです。

 今年5月に、松本麗華の自著は文庫化されました。
 ここには新たに魚住昭との対談が収録されています。
 魚住昭という人は、これまでに麻原彰晃こと松本智津夫を擁護する主張をしていて、雑誌のコラムにかつて掲載された原稿を自身のウェブサイトに転載しています。

http://uonome.jp/read/1362


 こうした事実を知って、現在の早稲田大学人物研究会の学生たちは、麻原彰晃こと松本智津夫の三女であるアーチャリーこと松本麗華の公演会を主催するのでしょうか。

 早稲田大学人物研究会というところは、著名人に直接会いに行くことを、一番の目的にしていました。
 当事者本人に直接会う。そして、話を聞く。
 それは、とても大切なことです。素晴らしいことだと思います。

 ですが、その対象となる人物のバックグラウンドまで、しっかりと把握できているのかどうか。
 まして、講演を主催するとなると、それは受講者へも影響を与えることになります。
 その責任もとれるのかどうか。

 わかってやっているのであれば、父親が指示、首謀したとされる事件に対して、松本麗華がどういう見解をもっているのか、それを明らかにさせる必要がある。
 そうでなければ、おそらくテーマとして取り上げたいのであろう大学の就学問題についても、正確性を欠くもので終わってしまう。

「※本企画はオウム真理教や関係する団体・人物を擁護・批判・意見表明することを目的にしたものではありません」
 松本麗華の講演会の宣伝にはそうありますが、果たしてそうでしょうか。
 生まれてくる子どもに責任はない。
 麻原彰晃の子どもとして生まれてきた不幸はあったのかも知れない。
 しかしながら、無差別テロ事件を引き起こした教団組織の教祖の子どもとしての存在と影響はあまりに大きなものがある。
 事実「松本麗華」という名前と「麻原彰晃の子ども」という立場によって、講演が主催される段階で、その影響力を認めると同時に、「麻原彰晃の子ども」の立場を利用する「松本麗華」の思惑にはまってしまっている。
 自著のタイトルで自らを「アーチャリー」とホーリーネームで呼ぶことからして、その影響力の大きさを自負している。事件の背景にあった世界と、決別できていない。

 松本麗華自身が、自身のホームページやSNSを利用して、この講演を嬉々として宣伝しているところからして、もはや違和感を抱く。

 講演をやめろというつもりはありません。それは自由であっていい。そうあるべきです。ぼくが学生だった時も、そういう気風は流れていたように思う。
 ただ、もう一度よく確認してほしい。
 講師の背景事情を正確に知っているのかどうか。
 その上で適切に対応できているのかどうか。
 麻原彰晃こと松本智津夫を擁護するために、都合の悪い事実から目を背けて、あからさまに人を騙すような大人にはなって欲しくない。
 その代表的な人物が森達也という人です。
 人物研究会では2016年に会見を行っていたようですが、森達也の問題点はこのブログでもずっと指摘していることです。

 このことでいまの「人物研究会」の若者たちが、見誤っているもの、見失っているものがあるのだとしたら、こんなに悲しいことはないのです。
 そしてそれは、正確な情報を史実として後世に伝えられていない大人たちの責任でもあるのですから。

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プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

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