小沢一郎の言質

 4月29日放送の
 フジテレビ「ザ・ノンフィクション」
 『ドキュメント アニメ 小沢法廷』
 の中でも触れましたが、

小沢一郎

 今回の裁判で問題となった土地購入の代金約4億円の原資には、
 1993年に刊行され、
 70万部を超す大ベストセラーとなった
 『日本改造計画』
 の印税があてられていると、本人が証言しています。
 その収入額は8000万円を超しているそうです。

 『日本改造計画』の刊行は、
 リクルート事件や東京佐川急便事件など、
 政治とカネの問題に端を発する政治腐敗が叫ばれ、
 政治改革をうったえ、自らを「改革派」と称して自民党を離れていく時期に重なります。

 その『日本改造計画』には、こうあります。

(第一部 今、政治改革を 一億二千万人の目で政治資金を監視 より)

 政治資金制度の改革と同時に、政治資金規正法違反者に対する罰則を強化し、政治腐敗防止制度を確立すべきである。具体的には、違反者を公民権停止処分にし、違反の言い逃れを封じるために連座制も強化する。
 これは、他の刑罰とのバランスからいえば、重すぎることになるが、政治家が自らの重い責任を果たすために自分自身を厳しく律する自律・自浄の措置として実施すべきだと思う。政治資金の全面公開と同様に、政治家自身が責任と倫理を明確にする制度として確立すればよい。

(『日本改造計画』73ページ)


 今回の裁判では、
 収支報告書に「虚偽記載」があったことを認めています。
 その上で、故意や共謀の事実を認めるには合理的な疑いが残るとして、
 無罪が言い渡されたものです。

 はっきり言って、これで政治家が無罪ならば、
 みんな同じことをやるでしょう。
 秘書が勝手にやったことにして、俺は知らなかったと言い張ればいいのですから。
 しかも、小沢元代表は、収支報告書の記載に不備はなかった、違法はなかった、とまで主張していたのですから、
 彼の見解そのものも司法の場で否定されたことになります。

 20年前のご自身の発言を政治家としてどのように解釈しているのでしょうか。
 まして、問題の土地の購入代金に売上があてられた著作だというのに……。

 そう思っていたら、
 虚偽記載の〝実行犯〟とされ、
 一審で有罪判決を受けている元秘書の石川知裕衆議院議員が、
 逮捕、起訴後に出版した『悪党 小沢一郎に仕えて』の中の対談で、
 こう述べているのには驚かされました。

(第3部 対決 小沢一郎が語った「原発」「遷都」「復権」 より)

小沢「よく言うように、国民のレベル以上のリーダーはでねえんだよ。衆愚の中からは衆愚しか生まれない。だから国民のレベルアップをしないといいリーダーも育たない。その意味でどうしたらいいのか。そういうことをもう少し日本人は自分で考えなきゃいけないな」
石川「はい」

(『悪党 小沢一郎に仕えて』226〜227ページ)

小沢、石川ジャージ
 いったい、小沢一郎という政治家は、
 どこの国の政治家であり、リーダーを務めようとしているのでしょうか。
 国民のレベル以上のリーダーが存在しないのなら、
 リーダーもまた国民のレベルアップなんて図れないないでしょうに!

 果たして、ご自分はどのレベルにあると認識されているのか。

 自己否定、自己矛盾の政治家。
 それに気付かないのだから、また質が悪いというか、笑っちゃうというか……。

 無罪判決を経て、
 民主党は小沢元代表の党員資格復帰を果たすようですが、
 所詮は衆愚の集まりに見えてきてしまうのは、
 裁判の現場を覗いてきたぼくだけでしょうか。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

どこにも同じような事が書いてあるのね

No title

マスコミが一方的に垂れ流してる言い分が非常にわかりやすく表現されていましたね。でも、4億円の原資が企業からの賄賂とは言えないと言ってるのにこんな政治家許していいのか、ってまとめてるけど、言ってる事はやっぱりめちゃくちゃ。本気で思ってるの?

No title

青沼陽一郎殿、

いつも、楽しく拝読しています。まあ、本件では、検察内部からマスコミへリークされた真偽が判らぬ情報に、深く感化された裏打ちの無い感情論が並んでいますが、これは左派特有の懐疑的思考ですので、仕方が有りませんね。そして、一般的な刑法や状況証拠を省みないのは、マイノリティーのジャーナリストとして、奇を衒った厳しい言論で興味を引き、それら一部衆人の扇動をする手法なので、それを真に受けるのは、如何なモノかと思います。また、アメリカでの一般的な会計法では、これは違法には当たりませんし、もし、当局から不具合の警告が有れば、適宜に訂正し再申告をすれば良いと思うのですが、如何でしょうか。元々は、一部の元企業幹部から出た裏金ありき??の先行摘発でしたが、この様に状況証拠が何も無いのでは、それは裁判にもならないのですが、とても可笑しい裁判でしたね。今後も、サンケイとかのタブロイド版でも、そこの低知能の読者と共に、充分に楽しませて下さい。乱雑な文章で、申し訳ありませんでした。
プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR