復刻『青ちゃん新報』中川死刑囚出廷!童貞野郎に激昂!裁判所のセクハラを訴える!

復刻!青ちゃん新報2電子版


 公判終了後から『報道ステーション』に呼ばれておりましたので、当日は配信ができず、といって、これが特に報じることもないのが、正直なところ。そこで、あれやこれや思うところも含めて、本日の配信です。

異例!中川智正死刑囚出廷!!
相変わらずの飄飄、饒舌は健在
 21日、東京地方裁判所第104号法廷で、平田信被告の裁判が開かれた。
 ここに目黒公証役場事務長拉致事件(仮谷事件)の共犯とされる中川智正死刑囚が出廷した。
 この中川死刑囚、教団においては教祖の主治医とも呼ばれ、「法皇内庁」長官の役職に就いてからは、「教祖やそのご家族の身の回りの世話をしていた」(中川証言)というが、松本サリン事件の他の共犯者からは「教祖に女性信徒をあてがう、やり手婆」と酷評されたこともある人物。
 その教団の中枢にいた人物が証言したことといえば……って、ここからテレビや新聞は一夜明けた22日に至ってまで、中川死刑囚が語った仮谷事件の全貌を報じているのだが、もうそんなことはいまから十数年も昔に法廷で語られ、散々報じられてきたことばっかり。つまり、十数年間の報道を繰り返し、焼き増ししているだけのこと。むしろ、時間が経ったことで中川死刑囚も忘れちゃったことのほうが多いことは、本人も認めるところで、いまさら新しいこともあるはずもない。
 結局のところ、みんなどこか勘違いしている。
 オウム裁判が再開されたことで「オウム事件の核心に迫れるのか!?」とか「果たして新事実は!?」なんていった論調の煽り報道が乱舞しているけど、早い話が平田被告というのは20年近く遅れてやってきた刑事被告人というだけであって、それもいってみれば見張り役程度の小さな存在。国松警察庁長官狙撃事件の関与が疑われ、特別指名手配されていたから目立っちゃったけど、起訴された事件はもう他の裁判で事実認定も済んでいるもの。共犯者が語る事件の内容だって変わっているはずもなければ、新事実が出てくる可能性だって極めて低い(変わっていれば、それこそたいへんだ!)
 ただ、死刑囚が証人として裁判所に出廷してくるのが、極めて異例で、そこに、この日の最大の注目点があったはず。
 外部との接触のない死刑囚が、死刑確定後にどんなふうに変化しているのか、かつての様子と違いはあるのか、まして刑の執行を待つだけの死刑囚の言動を耳にする機会なんて、これまでなかったのだから。
 だから、事件の内容を語るのに、大きな違いなんて出てくるはずもない。
中川智正 21日、平田信公判に出廷した中川智正死刑囚。傍聴席からその姿は確認できなかった。

〝やり手婆〟中川、
〝童貞〟野郎に激昂する!

 ただ、この日の中川死刑囚の証言で斬新だったのはふたつ。
 ひとつは、井上嘉浩死刑囚について触れたときのこと。拉致された仮谷さんは教団施設に連れて来られて、麻酔薬で眠らされたまま、ちょっと中川死刑囚が現場を離れて戻って来たら、死んじゃっていた、というのがこれまでの裁判での認定事実。中川死刑囚も一貫して証言しているし、その場面を直接知っているのは、中川死刑囚しかいない。
 ところが、井上死刑囚ときたら、仮谷さんは薬を打たれて故意に殺された、といまさらながらに言いふらしている、というのだ。
 そう書いてある井上死刑囚から遺族にあてた手紙を、2011年10月下旬に見せられたという中川死刑囚はこの場を借りて憤慨。

「井上くんが自分の責任でいうことであれば、なにを言っても構わないと思うし、私がどうこういうことでもない。だけど、その手紙にも井上くんは『ご遺族のために真実を語る』と書いてあったけど、私は、これはないんじゃないかな!と思いました。刑事裁判だけでなく、ご遺族は民事裁判も起こされて、私も井上くんも呼ばれて、そこで証言している。ご遺族は、その後少なくとも井上くんと2回、私と3回接見していて、その最後が2011年の10月下旬でしたけど、そこでその手紙を見せられて、ご遺族のためと胸を張っていうことじゃないけど、それに威張っていわないと真実にならないのかも知れないけど、これは、ご遺族のためと井上くんが思っていることと逆のことになる、それでいいのかな、井上くんも考えてほしい」

 事件現場でもやたらに仕切りたがってしゃしゃり出て、他人のことにも口を挟んでいた〝俺が〟〝俺が〟気質の井上死刑囚が、相変わらす裁判終了後も調子に乗って出しゃばり、あることないことまくし立てて混乱させていることに、猛烈に腹が立ったのだろう。中川死刑囚はもう涙声だったから。
 いまもそんなことをやらかしていたとは、ちょっと驚き。
 自分をヒーローに飾り挙げたくて黙っていられない井上死刑囚の本質はなにも変わってないんだろうな。この間の月刊誌に掲載された手記もそうだったし。弁護人が主張したような稚拙さはそのまんま。
 そういえば、井上死刑囚は公判中に、「ぼくは童貞ですから!」と胸を張って証言していたけど……って、ことはそのまま拘置所の中で生涯を全うしていくことになっちゃうのか……。大人になりたくてもなれない、というのが本当のところなのかも知れない。

地下鉄サリン事件の実行役・横山真人死刑囚の公判で〝童貞〟を暴露した井上嘉浩死刑囚
井上嘉浩

 まあ、もっとも井上死刑囚の言い分も聞いてみなければわからないし、中川死刑囚にしても、入信動機に神秘体験を挙げて、「犬の声が人間の声に聞こえた」「ワンワンワン『ご主人様が大好きです』(と聞こえた)」なんて証言していた人物。どこまで信用していいのやら……。

発覚!拘置所内での密談
 それともうひとつ、この日の証言で驚かされたこと。身内以外外部との接触は基本的に禁止されるはずの死刑判決確定後の拘置所で、中川死刑囚は意外な人物と会っていることを明らかにした点だ。

弁護人「家族以外に会っている人はいますか」
中川「はい」
弁護人「誰ですか」
中川「アメリカのテロ対策の専門家。国連のテロ対策の技官です」

 さすがにここで裁判長が口を挟んだ。

裁判長「弁護人!その質問は、どういう関連があるのですか」

 なるほど、そりゃあ、米国から頼まれればNO!とは言えないよね。全然外部との接触は断たれてないじゃん。あれ?ひょっとすると、その関係もあって、刑の執行は延びているのかしら?
 法廷では死刑囚の心理的影響を考慮してとかやらで、証言台の周りには傍聴席からの視線を避けるように、遮蔽版が置かれているし、入退廷もアコーディオンカーテンを引いて姿を一切見せない徹底ぶり。
 しかも、死刑囚の登場ということだけで、透明の防弾アクリル版を傍聴席との敷居に設置するという厳重警備。
 ……でも、ちょっと待ってくれ。
 いったい、どこの誰が死刑囚を襲うというのだろうか。命を狙ったところで、いずれその命は奪われる運命にある。
 あるいは、死刑囚の命を救おうとした奪還計画の恐れでもあるのか?でも、誰がそんなことをするの?いまのオウム真理教の関連団体に、そんなことを引き起こす力なんて、あるのか?
 それとも、死刑反対の人権派弁護士や市民団体が死刑囚を救出する?その為に、テロ行為に及んで人を傷つけ、殺す。人権派が?
 考えてみると、防弾アクリル板の意味がまったくわからない。
 この日と同じ、東京地裁第104号法廷で行われた日本で最初の裁判員裁判を傍聴取材したことがあったけれど、あの時に裁判員制度反対の人たちが傍聴席から急に「裁判員制度反対」の奇声を上げていたように、大きな声を上げたほうがよっぽど死刑囚の心理に影響する〝テロ行為〟になるような気がする。
 そうなれば、遮蔽版だって意味がなくなる。
 いや、むしろこの日の中川死刑囚は、法廷に響く証言の声だけだったけれど、最初のうちこそ緊張はしていた様子も、そのうちいつもの饒舌調に。〝1〟訊かれたら〝10〟答えるように、かつての中川と変わらず楽しそうに答えていた。
 米国だが国連だかの技官と接触はしているし、それどころかこの日の尋問に「平田くんが出頭してこれで刑の執行はしばらくないなと思った」旨の証言をしているほど。心理的影響を考慮する必要があるの?
 本質がよくわからないまま、ここでもどこか勘違いしている気がする。

きゃあぁー!気持ち悪い!
裁判所のセクシャルハラスメント
司法のパワーハラスメント
胸を触るな!○○が立つだろ!
お尻を撫でくりまわすなよ!イヤらしい!

 そう、勘違いといえば、裁判所の対応はもっと酷い。
 入廷前の傍聴人に対するボディチェックが酷すぎる。
 国際空港でもやらないほどに、傍聴人の体中をまさぐる。
 襟足からはじまって、男性が男性の両胸から両脇、両腕、ベルトの内側に手を入れたかと思うと、背後に回ってお尻を両手でなでまし、股下から足首までを両手で挟んで撫で下ろす。それも、とてもイヤらしく。まるで全身のボディラインを掌で確かめるように。気持ち悪いったらありゃしない。
 もうこれはホモ・セクシャルハラスメント。そうでなければ、司法によるパワハラだ。
 某朝日新聞記者曰く「あれこそ人権侵害だよ」。
 いったい、なにをそんなに怖れているのか。
 テロ対策だとしても、前述のようにその理由がよくわからないし、あるいは傍聴席からの盗撮や盗聴を怖れてにしても、ここまでやるのは異常だ。
 米国同時多発テロ直後のニューヨークJFK国際空港でもあそこまではやらなかった。新宿の2丁目だって、ノン気相手にあそこまではやらない。人権軽視も甚だしい。
 裁判所職員も、本当にゲイの趣向がない限り、あそこまでやりたくてやっているのではないにしても、これに理由を尋ねたり、文句を言ったらきっとこう答えるだろう。
「上からの指示ですから」
 それって、オウム信者が上から言われるままに非合法活動、犯罪行為に手を染めていった、と言い訳するのと同じことだ。
 それくらいに本質を見失って、行われている行為は酷い。
 一般市民の司法参加として裁判員裁判ははじまり、この平田信被告も裁判員裁判で審理されているけど、このやり方はあまりにも一般常識を逸脱して破廉恥だ。
 いま、最高裁判所の判事にまでなった大谷剛彦という人は、1995年に一連のオウム裁判がはじまったときの東京地裁の担当者で、傍聴券の抽選や入廷時の様子などをちゃんと現場に降りてきて、目で確認していた。
 今回も責任者が降りてきて、この異常事態を目視で確認すべきだ。
 どうも、オウム裁判というだけで、必要以上にみんな舞い上がっちゃって、勘違いして、本質を見失っている気がする。
 なにか、どこかがおかしい。



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プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

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