大罪

「あいつは絶対、そのうちノンフィクションを捨てて、小説家を名乗りはじめる。山崎豊子じゃないけど、俺の書いたものはノンフィクションじゃなくて、小説でした、って絶対に言いはじめる。だって、普通に読んだら書いてあることが嘘だってわかるでしょ」
 数年前にあるテレビ局の幹部に言われたことです。それなりの地位にある人は、ちゃんと見ているものですね。
 〝あいつ〟は別として、その予言は的中します。
 今週発売のある週刊誌の書評欄に彼の最新刊が紹介されていて、著者自身がこれまでのようにノンフィクションではなく今回は小説の仕立てにしたことを語っています。
 売れりゃあなんでもありなんでしょうが、そうなると以前に発表した作品が怪しくなってくる。
 そもそも、この人の以前の作品は、よりにもよって森達也という人が『A3』というトンでも本(その理由はこのブログでも紹介しています)で、講談社ノンフィクション賞を受賞してしまったときに、いっしょに候補作としてあがっていて、その時の選考会で同じ選考委員から内容の信憑性をぼろくそに指摘されて、選考から漏れた経緯があります。(だったら、どうして森達也なんて人の出鱈目本に賞を授けてしまったのか、本当に疑問です!)以前から、彼の作品の中味について、その信用性に疑問を抱く関係者が多かったことは事実です。当時から講談社のなかにもいたくらいです。
 いまさら書評に取り上げるというのも、どうでしょう?
 週刊誌がやたらに攻撃するテレビの業界の人たちですら、見抜いていたのですから。

 そういえば、よりにもよって森達也という人のトンでも本に賞を与えてしたまった選考会の司会進行役だったムック本の編集長。それからしばらくして、講談社の週刊誌『週刊現代』の編集長にまでなるのですが、つい先日、その職を解かれていました。随分と中途半端で短い任期だったなあ、と思っていたら、年頭に年賀状が届いて、広報に異動したことが書かれていました。おやおや、これは……!?

 そう、編集長といえば、興味深いことがひとつ。集英社の文芸誌『すばる』の編集長が石原慎太郎元東京都知事の小説掲載を拒んだことが報じられていました。「あなたは差別論者だ」とはっきり言って、小説掲載を拒否したそうです。
 いやあぁ〜、気概のある人はいるもんだなぁ、と関心はしたのですが、その一方でとっても残念に思えてならないことがひとつ。
 同じ集英社が主催する開高健ノンフィクション賞の選考委員にどうしていまだに森達也なんていう人が加わっているのでしょうか。
 ノンフィクションといいながら、嘘や盗用を平気でやってのけてしまう人が!
 さすがに佐野眞一という人が「ハシシタ事件」を引き起こしたあとには、「自分の原稿もチェックできない人間が他人の原稿などチェックできない」とかで、同賞の選考委員を降りていますが、いまだにこんな人物が居座る理由がわからない。ノンフィクションで事実にないことを書くというもっとも犯してはならない大罪をやってのけているのに。
 石原慎太郎のことを「差別論者」として筋を通したのなら、ここでも筋を通すべきでしょう。
 そうじゃなければ、ただ単に石原慎太郎を嫌って差別しただけのことになっちゃう。
 そういうことに気付かないのかな。



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森達也は優れた男!

お前だよ出鱈目人間はwww
プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

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