不規則な生活を送っているぼくは、ランチタイムが過ぎたあたりで、さっと短時間で食事を済ませたくて、よく立ち食いそば屋を利用します。
今日も、午後3時過ぎに、仕事場近くの『小諸そば』四谷新宿通り店に入り、もりそばを注文しました。
そして、カウンターから商品を受け取るときに、店員がなにか囁いている。
聞き耳を立ててみると、ぼくに対してその店員は、
「そばの啜り方がうるさいから、気をつけるように」
と注意していたのです。
ビックリしました。
蕎麦は啜って食べるもの、と昭和の時代に生まれて以来ずっと信じていたものですから!
店員がいうには、
「他の客があなたの食べ方をうるさい、と文句を言っていた」
「クレームが来たからには、注意をしなければいけない」
「だから、啜り方に注意して、静かに食べるように」
ということです。
そこで、訊いてみました。
その〝客〟というのは、誰だ? どこの誰なのですか? と。
ですが、「あなたが前回来たあとにクレームをつけられた」「よく来る客だ」「男性だ」としか言わない。
その客も卑怯だと思いました。
言いたいことがあるなら、ハッキリ言えばいい。そこで、その客の食べ方を見てみたい。自分と見比べてみたい。
店も店で、客の正体や存在を明らかにしない。それだったら、仮にぼくが〝あの客の化粧品の臭いがきつい(実際にそういう客は少なくない)〟〝長髪が不潔そう〟〝髭面が気色悪い〟と言ったら、店はその客に注意するのでしょうか。〝あいつが気に食わない〟だけで、いくらでもこちらが攻撃対象になります。
いや、そもそもからして、そんな〝客〟がいたのでしょうか。
店側が、なにかぼくが気に食わなくて、一方的にクレームをつけているだけではないのか。
つまり、二度と来るな!と追い払いたい意図があったのではないか。
そこまで思いました。
だって、蕎麦屋で「蕎麦の啜り方がうるさい」という、常識では(少なくとも、ぼくの常識では)考えられない理由で文句をつけられるのですから。
ましてや、もりそば1枚240円の、いわば大衆立ち食いそば屋で。
仮に実在したとしても、一方的にそんな客のカタを持つところでおかしい。
そもそも、蕎麦を啜って食べるのは日本の文化のはずです。
それをいうのなら、
パスタを啜って食べる日本人のほうがよっぽどおかしいですし、
ラーメンでさえ、ズルズルと啜って食べるのは日本人だけ。
中国でも麺は啜って食べませんし(そんなことをしたら嫌悪される)、
クイッティオ(タイのヌードル)だって現地で音を立てて食べているのは日本人くらいのものです。
あまりに不快で、不条理だったので、
代金を返してもらって、そのまま店を出てきました。
「蕎麦の啜り方がうるさい」と客にクレームをつける蕎麦屋。
そんな常識外れの店は二度と行きません。
どうかしています。
スポンサーサイト