復刻!『青ちゃん新報』菊地直子初公判!理研もビックリ!「ユニットリーダー」だった被告人直筆「実験ノート」公開される!!

再び!青ちゃん新報2電子版

〝走る爆弾娘(あれ、もうおばさん?)〟初公判!理化学研究所&小保方さんもビックリ!
菊地直子被告の『実験ノート』が法廷公開、証拠採用へ!!


 菊地直子ねぇ……。全国特別指名手配、17年間の逃亡生活の果ての逮捕と、あれだけ日本中を騒がせておいて、起訴されたのは都庁爆弾事件の火薬原料を運んだという〝幇助〟だけだからね。
 その初公判が8日、東京地方裁判所第104号法廷で開かれた。
 グレーのパンツスーツに白のブラウスを着込んだ細くて小さな身体。逮捕時よりも痩けたように見える頬に細い眼鏡。手配写真や教団にいた頃のふっくらした容姿からはまったく別人に見える。昭和46(1971)年12月生まれだから御年42歳のはずだが、それでも気のせいか肌の色艶はすこぶるよい。在監中の刑事被告人だから、化粧もしていないはずなのに……。それでも、前髪を垂らし、背中まである後ろ髪をひとつに束ねた頭の分け目の薄さは、年相応というより、一昨年6月の逮捕まで17年間の逃亡生活の疲れからくるものだろうか。

「中川さんの指示で薬品を運んだことは間違いありません。ただ、運んだものが爆薬の原料とは知りませんでした。このように使われることも知りませんでした。とはいえ、薬品を運んだのは紛れもない事実です。爆薬が作られたことも事実です。この事件で大怪我を負われた内海正彰さん(都庁の職員。左手のすべての指を失った)には、申し訳なく思っております。この場を借りてお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」

 菊地被告は、罪状認否でそう語って「無罪」を主張している。薬品の用途を知らなかったというのだから、そのお詫びも本物だろうか。それだったら、知らなかったとはいえ、彼らの作った爆弾を都庁に運んだ郵便局員だって謝らなければならなくなる。
 いや、そんなことはない、運んだ薬品の用途や目的は知っていたはずだ、と有罪を主張するのが検察側。
 で、これを立証するために、教団でサリンの生成に見事成功してみせた土谷正実死刑囚のホーリーネーム(宗教名)からとったプレハブ実験施設「クシティガルバ棟」から押収した、なんと、菊地直子被告の名前の入った直筆「実験ノート」を証拠として持ち出してきたのだ!
 菊地被告は、サリンやVXの生成に成功したこのクシティガルバ棟で土谷死刑囚の実験を手伝っていた。同施設からは菊地被告のホーリーネームの入った防毒マスクまで押収され、この日、法廷で証拠としてみんなの目の前に晒されている。菊地被告は、土谷死刑囚の手伝いをしながら、やがては教団内で使われた麻酔薬製造の「ユニットリーダー」になったというのだから、もう理研もビックリだろう。
 で、あとはそこでいっしょに働いていた〝仲間たち〟を証人申請。菊地直子の化学的知識や認識を立証していくことになる。まさに〝同窓会〟裁判。
 ……って、それで死刑囚を証人として呼び出すほど、重大なことなのかな。
 なんだか仰々しいだけで、徒労感が増しそうな気がする。
 それより、これで菊地被告が「無罪」にでもなろうものなら、彼女を匿っていたとして有罪判決を受けた逮捕時の同居人男性は、いったいどうなってしまうんだろう? ちょっと心配になる。
 この日は、58枚の傍聴券を求めて、400人以上が抽選に並んだ。ところが、公判がはじまってみると、傍聴席に十席以上の空席が目立つ。どういうこっちゃ!?
 また、どこぞのマスコミが大挙して動員をかけたはいいが、傍聴券を独り占めして、余らせてこんな事態になったのだろうが、いくら取材目的とはいえ、これはやり過ぎ。大問題では!
 そういえば、かつて光市母子殺害事件の差し戻し控訴審(広島高裁)の判決で、NHKがバスを仕立てて傍聴券獲得のための並びのアルバイトを動員していたことがあった。記者クラブに所属して記者席が用意されていながら、しかも受信料で傍聴席獲得ためのアルバイトを雇うんだから、どういうものだろう!?
 結局、朝から傍聴できるかどうかでバッタバタの大騒ぎ。もう既に疲れまくり。それで大きな事件か、と思いきや……やる気も削がれる。で、配信も数日遅れた次第ですが、そこに加えて個人的にものすごく疲れる出来事が……。


個人的なことですが……
 たまたま、同じ日に某月刊誌の今月号に目を通す。もう、それを見てウンザリ。自分のしていることがバカバカしく思えてくる。
 なんだって、こんなパチモンを持ち上げて登用するんだろう!? テレビ関係者の間では〝嘘つき〟と呼ばれて、嫌悪されているというのに。捏造インタビュー掲載の過去もあるし、主張の論理破綻はしているし、それに最近では黒い噂も耳にしているし……。現場主義で、もっとも捏造や虚報を嫌う教養的な媒体だと思っていたのに、ちょっと、異常な肩入れというか、色つき雑誌になりかけというか……。「論客」と呼ばれる方々も、放射線汚染に関してはトンでもないことを放言しまくったり、秋葉原あたりのアイドルグループで色呆けしちゃっているし……。
 だんだか、自分が正しいと思って追求している世界と、現実との差が大きくなり過ぎちゃって、信じられないくらいに疲れる。そば屋で「そばの啜り方がうるさい」と文句をつけられることも然り。気分はまさに『ワーニャおじさん』状態‐‐チェーホフの戯曲『ワーニャおじさん』の最後の台詞を吐きたくなる。


「科学」の本質と麻原彰晃の空中浮揚
 最近の「科学」と呼ばれるものについてもどうなんだろう? いまフクシマで起こっていること、行われていることの科学的説明も秩序を欠いている気がするし、それにチェルノブイリの現場を歩いて来た経験則からしても辻褄が合わない(そのあたりは拙著『フクシマ カタストロフ』に詳しい)。本当にこっちのほうがおかしくなりそう。
 それに、日本中を騒がせているSTAP細胞。そんなに大騒ぎする話なのか? 最初に問題になった論文の写真が間違っていたなら、本物を出せばいいし、そんな細胞の再現に200回成功しているのなら、201回目を再現してみせればいい。なんだか、この報道に接する度に、麻原彰晃(本名・松本智津夫)の空中浮揚写真を思い出す。
 信者を魅了したという麻原彰晃の空中浮揚写真を前に、科学者たちが「この写真は本物か」「本当に麻原は空を飛んだのか」と大真面目に議論をしているだけのことのように思えてくる。
 挙げ句には、みんなで互いの過去の論文のあら探し。もっとも、そこまでチェック機能や自浄作用がなかったという、それもトンでもない話だけど、それだったらメディアやノンフィクションの世界でも、浄化作用を強化して欲しいもの。諄いようだけど、森達也のような嘘つきがNHKで発言して、明治大学で講義をしているなんて、やっぱりどうかしている。俗人的な世界とはいえ、捏造記事を書く輩に肩入れして持ち上げる雑誌もどうかしている。同じ世界に身を置くことが苦痛になってくる。
 奇しくも、小保方晴子研究ユニットリーダーの「実験ノート」の一部が公開された直後に、東京地方裁判所では〝走る爆弾娘〟菊地直子被告の「実験ノート」が公開された。小保方さんのノートには「  」(ハートマーク)の記載もある一方で、菊地被告が20年前につけていた「実験ノート②」と表題のついたノートは端から文字でびっしり。化学的知識も持ち合わせず、実験器具の洗浄から手伝いに入った菊地被告は、きっと土谷死刑囚に教えられるままに、ノートをつけはじめ、ひたむきに結果で応えようとしていたのだろう。その結果はともあれ、正直であろうとする純真さや誠実さはオウム真理教の出家信者のほうが勝っていたように思えて来る。
 死刑判決とはいえ土谷正実が限られた情報とあんな設備でサリンを生成しちゃったことだって、米国をはじめ世界の専門家からすれば驚愕の出来事だったのだから。
 なんだか、いまの現実の世界のほうが軽薄と悪意に満ちているような気がする。

 そんなことを菊地直子の公判で考えさせられるなんて、ねぇ……。



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プロフィール

あおぬまよういちろう

Author:あおぬまよういちろう
【青沼陽一郎】
「ジャーナリスト」(週刊文春・週刊新潮)と呼ばれたり、
「ノンフィクション作家」(週刊現代)と呼ばれたり。
 日本文藝家協会・会員名簿には「作家・ジャーナリスト」とある。
 著書に『池袋通り魔との往復書簡』『オウム裁判傍笑記』(小学館文庫)『食料植民地ニッポン』(小学館)『裁判員Xの悲劇』(講談社)『私が見た21の死刑判決』(文春新書)『帰還せず-残留日本兵六〇年目の証言-』(新潮文庫)など。
 映像ドキュメンタリーに『虚像の神様〜麻原法廷漫画〜』シリーズ。

ぜぜ−ひひ【是々非々】
 よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。
「 是を是とし非を非とす る、之を知と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」『荀子』修身より

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